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「安心と安全」の中で考察した
非対称性が相場の中ではいたるところに見られる。人間の本能がそのまま発揮される市場においてそれは当然のことかもしれない。
株価は多くの人が認めるように合理的などではなく、ファンダメンタルをそのまま反映しない。収益の面から考えれば明らかに高すぎる値がついたり、逆に安すぎるな値がついたりしている。それは非合理そのものである。
テクニカルトレーダーはそのような市場の非合理性に気づき、それを自らの収益に繋げようと考えた人たちとも言える。しかし彼らの多くがそれをあまりにも合理的に扱おうとした結果、市場の非合理性の度合いはますますひどくなってしまたように感じる。ここではそれをギャンブラーの誤謬に倣って
テクニカルトレーダーの誤謬と呼ぶことにする。
非合理性の根源は何かを問うことは、様々なテクニカルをどのように設計しまた扱うかということに不可欠なことであると思うが、そのような考えもなくただ過去の検証において上手くいったという理由だけでとシステマチックに用いるのは非合理的なアプローチでしかないように思う。
私は
市場のゆがみ(非合理性)の主な要因は下記の3項目に集約されると考えている。また、これらは多くのテクニカルトレーダーに根本的に欠けている視点ではないかとも思っている。
1.投資期間
2.資金量
3.ポジションの状態
一つめは市場参加者の投資期間の違いによる歪みである。ときどき株式市場はゼロサムゲームという人がいるがそれは明らかにおかしい。ゼロサムゲームとはある限られた期間における参加者の利得の総和がゼロになるということだが、それが成り立つのはすべての市場参加者の投資期間と想定する期間が一致する場合だけだ。
仮にすべての市場参加者がデイトレーダーであれば一日の終わりの利得の総和はゼロとなりゼロサムゲームになるが、実際の相場ではありえない。日計りのデイトレーダーの売り物を2、3週間の投資期間のスイングトレーダーが買い、別のスイングトレーダーの売り物を2,3ヶ月が投資期間であるポジショントレーダーが買う。そしてまた別のポジショントレーダーの売り物をデイトレーダーが買うといった具合だ。
それがいったいどのような意味をもつのか。もちろんそのような前提におけるある限られた期間の利得の総和はゼロにはならない。でもそれ自体あまり意味があることではない。より重要なのは
自分たちより長い時間枠で売買する人たちが自分たちの時間枠における売買に影響を与えるということだ。
もう少し詳しく説明すると、たとえばしばらくレンジ相場が続くとする。レンジの下値では決まって買いが入り、上値では売りものがでてくる。それを何回も繰り返していると、そのレンジ内の相場はまるでゼロサムゲームのように思えてくる。でもそこには必ずその期間よりもずっと長い期間で売買する人たちが介在している。やがて買いか売りかその人たちがネットで多くベットした方向に株価はブレイクすることになる。
レンジ期間よりもずっと長い時間枠で売買する人たちはレンジ内の短い時間枠で売買する人たちよりも長く買い持ちあるいは売りもちすることによってレンジ内の需給を変化させ株価をレンジ外に押しやる。短い時間枠で売買する人たちもレンジ内の需給を変化させるがレンジ内で反対売買をしなくてはならないため、長い時間枠で売買する人たちがレンジ外に株価を押しやらない限りレンジ外の需給に影響を与えることはできない。
市場参加者の投資期間の違いによってこのような歪が常に生じている。デイトレーダーはスイングトレーダーの影響を受け、スイングトレーダーはポジショントレーダーの影響を受けている。言うまでもなくトレンドにより影響を与えるのはより投資期間が長いトレーダーだ。よって同じ出来高であってもどのような投資期間のトレーダーが売買したのかがより重要になってくる。